2017.02.15「火 Hee」DVD発売・iTunes配信

映画「火 Hee」

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何かを燃やしてなければ存在できない、綺麗な、悪

作品紹介

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プロダクションノート

原作:中村文則(「掏摸」「教団X」)、監督・脚本・主演:桃井かおり
圧倒的な存在感で、一人の女の確かな生を描き出す「監督・桃井」の新境地

2006年公開の「SAYURI」以降、拠点をロサンゼルスに移し世界で活躍する女優・桃井かおり。待望の第二弾となる監督作は、05年に「土の中の子供」で芥川賞を受賞してからというもの、次々にベストセラーを放つ若き文豪・中村文則との異色のタッグが実現。犯罪小説というジャンルへの貢献を讃える米国の文学賞(デイビッド・グーディス賞)を受賞するなど海外での評価も高い中村。

今回桃井が手にしたのは、かつて放火を犯した娼婦が精神科医との対話を通じて、その呪われた生涯を独白するサスペンス風の短編「火」。桃井自ら監督・脚本・主演を務めた本作は、今年2月のベルリン国際映画祭フォーラム部門でワールド・プレミア上映されるや圧倒的な迫力で観客を魅了。各国の映画祭からの熱狂的オファーが絶えない問題作だ。世界の舞台を経て、より鮮やかに炙り出された桃井の唯一無二の個性。ここには確かな生がある。

プロダクションノート

あらすじ

アメリカでクリニックに勤める精神科医の真田。
ある日、家族とショッピングに出かけた際に一人の女性とエレベーターで遭遇する。
彼女の声が脳裏に響き渡り、真田は彼女とクリニックで問診している様を妄想する。
しかし彼女の話は、真田の想像を超える、壮絶なものだった。
幼い頃に家が火事になり両親を亡くし、学校ではイジメを受け、結婚相手からは浮気をされる。離婚してからは、アメリカで売春をしながら借金生活で過ごす毎日。
彼女の話を聞く内に、次々に登場する男と自分を重ね合わせ、彼女の話に引き込まれていく真田。彼女の話はさらにエスカレートして行き、思いもよらない方向へと向かっていく…。

Production Notes

Original Story: Fuminori Nakamura ("Pickpocket," "Cult X") | Written and Directed by, and Starring: Kaori Momoi
Director Kaori Momoi blazes a new trail with a powerful portrayal of one woman's fierce existence

After her appearance in Rob Marshall's Memoirs of a Geisha in 2006, Kaori Momoi relocated to Los Angeles and has actively sought out film roles around the world. 火 Hee is an ambitiously challenging work that marks Momoi's second film as writer and director. She also takes on the lead role of Azusa, a prostitute and psychiatric patient who harbors an abnormal fascination with fire.
火 Hee is based on the titular short story by author Fuminori Nakamura. Nakamura's novel "The Thief" was selected as one of the year's best ten novels in 2012 by the Wall Street Journal and was a finalist for the 2012 Los Angeles Times Book Prize in the mystery/thriller category. Nakamura was also the recipient of the David L. Goodis award for his contribution to noir fiction. Kaori Momoi adapts Nakamura's early short story 火 Hee into an electrifying chamber piece. Executive producer Kazuyoshi Okuyama's producing credits include Shohei Imamura's 1997 Palme d'Or winner The Eel and director Takeshi Kitano's first three groundbreaking films (Violent Cop, Boiling Point, Sonatine).

プロダクションノート

Story

Dr. Sanada works as a psychiatrist at a clinic in the United States. One day while out shopping with his family, he encounters a woman whom he once treated, named Azusa. Azusa's words reverberate in his mind, and he envisions questioning her at the clinic. Soon after the episode, Dr. Sanada gets the chance, but under very different circumstances. Azusa's shocking story goes beyond anything he imagined. Azusa lost both parents in a fire as a child, was bullied at school, and later married a man who became unfaithful. After getting divorced, Azusa started working as a prostitute in the United States to support her debt-filled existence. As Dr. Sanada listens further, he begins to see himself mirrored in the various men whom Azusa recalls, being drawn deeper into her world. Azusa's revelations escalate, pushing the story toward an unexpected conclusion.

キャスト&スタッフ

監督・脚本・主演

桃井かおり

桃井かおり

日本映画60本以上に出演、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞、キネマ旬報賞などで各主演女優賞及び助演女優賞など最多受賞女優。山田洋次監督『幸福の黄色いハンカチ』、黒澤明監督『影武者』、今村昌平監督『ええじゃないか』、三池崇史監督『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』等に出演。2005年からはロブ・マーシャル監督の『SAYURI』、アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』、マリス・マーティソン監督の『AMAYA』などで海外でも注目を浴びる。2007年には、初監督作品『無花果の顔』で11の国際映画祭に正式に招待され、ベルリン国際映画祭NETPAC賞他、各国で5つの賞を受賞。監督としての評価も高まっている。

コメント

中村文則氏原作の「火」は、主人公がただ喋り続ける、ト書きさえないという、とにかく画期的な小説です。最初、奥山和由プロデューサーから出演のお誘いがあり、その後すぐ「桃井さんが監督するっていうのもアリかな?」と仰って頂いたんです。中村文則氏や奥山さんの勇気に比べれば、桃井が引き受けたことなど大したことではありませんが、この作品は彼らの勇気に報いる覚悟がなければならないと痛感していました。

主人公の女は、放火を犯しながら罪の意識さえない、物事を判断する尺度が折れ曲がっているとしか思えない女。でも、零れ落ちてくる言葉には、なぜかリアリティがある。誰でもいいからつながろうと生きている。どこか今の時代の象徴だと感じます。私はそんな人間を描き、演じたかったのです。

原作

中村文則(河出書房新社/河出文庫『銃』収録「火」)

コメント

桃井さんの圧倒的な才能に戦慄しました。
何てすごいんだろう。この映画はきっと伝説になる。

劇中写真

監督・脚本・主演:桃井かおり
原作:中村文則(河出書房新社/河出文庫『銃』収録「火」)
脚本:高橋美幸(共同脚本)
エグゼクティブ・プロデューサー:奥山和由
製作:吉本興業/チームオクヤマ
配給:KATSU-do
宣伝協力:プレイタイム

Written and Directed by, and Starring

Kaori Momoi

桃井かおり
Comment from Writer, Director, and Star Kaori Momoi

The protagonist in Fuminori Nakamura's original story "火 Hee" does nothing but talk, without any descriptions. It's a groundbreaking work. At first, producer Kazuyoshi Okuyama offered me the lead role. Soon after that, he asked "It could work well if you also directed it, don't you think?" Compared to the courage of Fuminori Nakamura and Kazuyoshi Okuyama, me taking on the project wasn't of great significance, but I was keenly aware that I had to reciprocate their courage.
The lead female character is an arsonist without any sense of guilt. She can only be regarded as a woman whose judgement has been warped. Yet somehow, there's a realness in the words she speaks. She tries to live through connecting with whomever she can. I feel that in a way she's symbolic of the current age. That's the kind of person I wanted to depict and portray.

Original Story

Fuminori Nakamura ("Pickpocket," "Cult X")

Comment from Novelist Fuminori Nakamura

Kaori Momoi's awesome talent makes me shiver with excitement.
It's amazing. This film will be legendary.

劇中写真

映像

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コメント

「The Upcoming」誌のレビュー(2016年2月12日 オリバー・ジョンストン)

評価 ★★★★☆
精神疾患を抱え躁病の瀬戸際に立たされているような役柄において、納得のいく演技をすることは、役者にとって非常に難しい仕事だ。このような役柄は、厄介なだけの人間の典型を演じることになりがちだからだ。しかし、桃井かおりは精神科医から治療を受ける初老の娼婦の役で、細やかな演技を見せている。女は精神科医のクリニックに姿を見せなくなるが、警察からの依頼を受けた医者が、殺人罪に問われた女の精神鑑定をすることになるという形で2人は再会する。

女の目には困惑の表情が浮かび、諦念が滲んでいる。これはまさに彼女の映画だ。医者は主人公を引き立てる役であり、彼の問いかけによってストーリーが進行する。今回桃井は演じるだけでは飽き足らず、監督・共同脚本も手掛けている。映画『火 Hee』は、中村文則の短編小説「火」を映画化したものだ。シンプルでエレガントな手法で作品は構成されており、時折燃え盛る「狂気」の炎を一層強烈なものにしている。シーンのシンプルな構成は、芸術的選択であると同時に必然的ともいえる。何しろこの映画は、わずか10日間で撮影されたのだ。観客にそのように感じさせないのは、ひとえに桃井の監督としての手腕によるものだ。

短編小説「火」の設定は日本だが、映画では舞台をロサンゼルスに移し、異国の地で暮らす人間の疎外感を一層効果的なものにしている。精神科医の問いかけに対する女の反応が真に迫っているのはこのためだ。 彼女が医者に自分は生きる価値があるのかと問いかけるシーンでは、見る者の共感を誘う。この問いに対する答えが映画の中で示されることはないが、桃井がつくり出したこの架空の、ある意味崩壊しかかった世界では、この女のように鮮烈で魅力的な女性キャラクターは、生きていく価値があると思わずにはいられない。

クリストフ・テルヘヒテ(元・ベルリン国際映画祭フォーラム部門ディレクター)

『火 Hee』について

娼婦の女が日本人精神科医の男に「自分の両親が火事で亡くなった」と語り、事の是非はさておき「そのことに責任を感じている」と言った数年後に2人は再会する。あの時女は、精神科医のことをやぶ医者となじったのだった。 そしてあの時医者は「女は狂っていない」とうっかり漏らしたのだった。現在の彼女は、不安定な状況で暮らしを続けるロサンゼルスの売春婦であり、殺人罪に問われている。彼女の記憶は再び、否応なく火へと向かっていく。明らかに日本語を理解しない捜査官の同席のもと、医者は彼女の精神鑑定を行う。今の彼女は本当に精神を患っているのだろうか。実はあの時もそうだったのだろうか。彼女が自分を苦しめる人々について語るとき、医者が動揺するのはなぜなのか。

中村文則の小説を原作とする桃井かおりの映画『火 Hee』を、ただ1つの物語にまとめてしまうことは不可能だ。この作品で注目すべきは演技である。不完全で、一方的な、矛盾した演技とともに、女優・桃井かおりが容赦なく自身を分析する手法で映画を監督し、観客は否応なく耳を傾け、目を向け、疑うことになる。サウンドとセリフが常に矛盾する桃井の魅力的な断片的モンタージュに直面した時、ただ1つ確かなこと。それは不確実さだけである。

手塚理美(女優)

とにかく桃井さんの世界観に圧倒されました!
女優としてだけでなく監督としてもすばらしかったです!
これは桃井さんにしか撮れない映像だと思いました。
子供のころを語っているシーンではそういう映像があるわけではないのにホントに子供のころの映像が見えるようでした・・・。
桃井さんって元々すごい女優さんなのにそこからさらにどんどん進化されてて・・・ほんとに尊敬します。

ヤン ヨンヒ(映画監督)

熱く、冷たく、深く、煉っとりと、しかし乾いた映画「火Hee」。
監督・女優 桃井かおりに完全にヤラレタ…
善悪、有罪無罪、警察と犯人、医者と患者など、社会に君臨する「常識」の陳腐が露呈する。記憶とトラウマの中でもがきながらも孤独を恐れない女。浅ましいズルさに親近感さえ覚えた。こんな重層的なヒロインにはナカナカお目にかかれない。72分間心地よく翻弄された挙げ句にノックアウト!悔しい快感に今も浸っている。

映画祭レポート

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劇場情報

前売り券情報

ポストカード

■価格:1,500円(税込)
■特典:オリジナルポストカード
■販売場所:東京・イメージフォーラム 大阪・第七藝術劇場
■メイジャー・作品特設ページ(メイジャーHP内)

※前売り券1枚につきポストカード1枚がつきます。
※特典はなくなり次第終了となります。
※上映期間・上映時間、入場券へのお引き換え方法等は、劇場HPまたは直接劇場へお問い合わせください。

エリア 都道府県 劇場 前売り券 上映期間
東北 宮城 桜井薬局セントラルホール   8月27日(土)~9月9日(金)
  山形 鶴岡まちなかキネマ   10月29日(土)~11月11日(金)
関東 東京 シアター・イメージフォーラム 8月20日(土)~9月23日(金)
  神奈川 シネマ・ジャック&ベティ 10月29日(土)~11月11日(金)
  群馬 シネマテークたかさき 9月24日(土)~9月30日(金)
  新潟 シネ・ウインド   12月17日(土)〜12月23日(金)
中部 愛知 イオンシネマ名古屋茶屋 9月24日(土)~10月7日(金)
北陸 福井 福井メトロ劇場   11月12日(土)~11月18日(金)
関西 大阪 第七藝術劇場 9月10日(土)~9月30日(金)
  兵庫 神戸アートビレッジセンター   9月10日(土)~9月23日(金)
  京都 イオンシネマ京都桂川   9月24日(土)~10月7日(金)
  京都 立誠シネマプロジェクト   11月19日(土)~12月2日(金)
★「Hee and She 映画『火 Hee』を作った日々」
特別上映有→詳細は劇場へ
中国 広島 シネマ尾道   10月22日(土)~10月28日(金)
九州 福岡 KBCシネマ   11月5日(土)~11月11日(金)
  宮崎 宮崎キネマ館   11月5日(土)~11月11日(金)
沖縄 沖縄 シネマパレット   8月27日(土)~9月9日(金)

※劇場情報は順次更新いたします。